2020年待望の日本上陸を果たし、ドローン業界の話題をさらった”ぶつからないドローン”「Skydio」。

"より高い安全性"と"容易な運用"が期待できることから、安全面や操縦の難易度などがハードルとなる日本での各分野へのドローン導入を、加速させる存在となるかもしれません。

この記事ではそんなSkydio社の歴史や商品開発の方向性、日本での展開について解説します。

この記事は2022.02.22時点の情報です。

Skydio社について

会社の歴史

創業者たちは2009年マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院で出会いました。彼らはMITで受賞歴のある「自律飛行の研究プログラム」を主導したり、「ドローンの自律飛行の先駆けとなった研究プログラム」の一員です。

卒業後に彼らは、Googleのドローンによる配送プロジェクト「Wing」を手伝ったのち、2014年にSkydioを創業。2018年に自律型ドローンSkydio R1をリリースしました。その後NVIDIAなどから約170億円の資金調達に成功。日本からもNTTドコモ・ベンチャーズが2020年7月に同社への出資を発表しています。

現在、Skydio社はSkydio2、Skydio X2を発表するなど「自律飛行型」のドローンにおいて世界を牽引する存在です。

有名テクノロジー企業出身社員多数

Skydioの創業者は Google「Wing」 プロジェクトに関わった人物ですが、Skydio Japanの CEO Tom Moss氏(元米国Skydio COO )もGoogleからそのキャリアをスタートさせ、アジアでAndroidの統括部長を勤めていました。

ハードウェア責任者Ben Thompson氏ならびに製品管理責任者Roy Goldman氏は、いずれもそれぞれTeslaにおいて「Model S およびModel Xの電気統合と自動操縦機械工学の管理」「ソフトウェア開発ディレクター」をしていた人物です。そのほか、米国海軍の元戦闘機パイロットならびにテストパイロットを務めた製品管理シニアディレクターMike Ross氏など、Skydioには各分野の世界トップクラスの専門家がそろっています。

ユニコーン企業

Skydioは、2021年8月に1億7000万ドル(約181億円)を調達。これにより調達金額の合計は3億4000万ドル(約362億円)に達し、ユニコーン企業のひとつとなりました。ユニコーン企業とは、次の4つの条件を満たしたものを呼びます。

  • 評価額10億ドル(110円/ドル時で1,100億円)以上
  • 創業10年以内
  • 未上場
  • テクノロジー企業

海外の有名ユニコーン企業としては、TeslaやPayPalと同じくElon Reeve Musk氏が率いる「SpaceX」、 米国版2ちゃんねるとも称される「reddit」、東南アジアでUberを買収した配車サービス「Grab」 などがそれにあたります。ドローン業界では世界シェア70%超を占める「DJI」や、ドローンによる血液輸送で知られる「Zipline」がこれに該当します。

ユニコーン企業のおよそ80%はアメリカと中国が占めており、日本のユニコーン企業はまだ少なく2021年3月時点で7社。有名な企業としてはニュースアプリの「SmartNews」があげられます。

参考(外部リンク):自律型ドローンメーカーのSkydioが約181億円を調達、ユニコーンの仲間入り/TechCrunch Japan

Skydio Japanについて

日本での営業とマーケティングを担う、Skydioの日本法人「Skydio Japan合同会社」は2020年11月16日、東京に海外初のオフィスを開設。CEOは元米国Skydio COOのTom Moss氏です。

日本オフィス開設時、Tom Moss氏は ”初の海外展開に日本を選んだ理由” として次の3つを挙げています。

  • 島国日本は橋梁の数がアメリカよりも多いこと
  • 地震などの自然災害が多くあること
  • 人口減少が進み作業員の数が不足していること

実際に、橋梁の数はアメリカでは60万程度、日本は約70万と日本の方が10万ほど多くあります。

さらに Tom Moss氏はDroneTribuneのインタビューで日本市場でのゴールについて以下のように答えています。

経済的なゴールはありません。それよりもどこでもいつでもドローンを飛ばせる環境を作りたい。それによって多くの人に喜んで頂きたい。お金よりヴィジョンが大切です。

2、3年後には『Skydio2 Dock』(=機体の離発着ポートとなるボックス型のSkydio2の専用ドック)が日本中に、たとえば10万台とか100万台とか、どこにでも設置されていて、いつでもドローンがパトロールに出動できて、点検のために稼働できて、災害調査に出動できるようになっていたらいいな、と思っています。

ビジネスだから儲からないといけないし、ファンドレイジングもしたいと考えています。しかし、売上よりも環境がゴールなのです。

出典:DroneTribune

Skydio社のミッション

Skydioは自社のミッションとして 「自律飛行で世界をより生産的、創造的、そして安全にすること」 を掲げています。

これは、彼らの世界トップクラスの”自律飛行”の技術により、一流の操縦士なしでもドローンが自律的かつ安全に飛行し、私たちの必要とするデータを取得することでより豊かな世界に貢献していくことです。

ミッションに基づいた商品開発

Skydio製品はドローン、AI、コンピュータービジョンの世界的専門家による10年以上の研究成果であり、すでに「自律飛行型」ドローンにおいて世界を牽引しています。

米国を代表するメーカーとして”米国製”と”セキュリティ”にこだわる

Skydioはアメリカを代表するドローンメーカーとしての責任を真摯に受け止め、設計やソフトウェア開発、製造、サポートの全てを米国で行うほか、プロセッサ調達も米国企業から行い高レベルのセキュリティを誇ります。これによりSkydioは現在、政府機関の信頼できるパートナーです。その結果としてSkydioは、アメリカで最高レベルに革新的で、信頼性と技術力の高いドローンを生み出しています。

これまでの開発

2018年、Skydioが初めてのドローンとして発売したSkydio R1は消費者向けの自律型ドローン新たな発見として、さらには新たな産業分野の開発のプラットフォームとして広く認められました。現在はR1から発展したSkydio 2並びに、産業用途に開発されたサーマルカメラ搭載のSkydio X2を発表しています。

ドローン導入や運用の課題とその解決へ

今日、ドローンは操縦士の手動で操作され、その現場は補助者との2名以上のチームで運用されます。このため操縦士の技量不足や操縦ミスによる事故がドローン導入の障壁となる上、トレーニング等の導入費用、そして継続的な運用にはランニングコストの大部分を人件費が占めることとが課題となっています。

Skydioはすでにその自律飛行により、トレーニング費用や運用時の人件費の抑制、衝突等事故の回避を実現しています。さらにSkydioは上記画像のように飛行以外の技術の自律化を進め、遠隔で数多くの自律型ドローンを管理できることを目指して現在も開発を続けています。

最高レベルの自律飛行を手軽に試せる「Skydio 2」

Skydioの初代機体であるSkydio Rの次に発表された小型機。撮影用カメラとは別に搭載された6つのカメラによるVisual SLAM技術で、小さく軽量でありながら自律飛行・障害物回避を実現。

これまで難しかった屋内など非GPS環境や狭小な場所でもぶつからず、さらに物体に近い距離での飛行が可能になります。

デュアルカメラx自律飛行!新時代の産業機「Skydio X2」

業務使用を目的としている「Skydio X2」は、CES 2021 Best of Innovation Award for Dronesを受賞。ドローン部門での受賞は「Skydio X2」ただひとつということからも、その実力がうかがえます。

自律飛行・障害物回避機能はもちろん、最大100倍ズーム可能で360度のライブビューが可能な可視光カメラと、赤外線カメラの2つを搭載しつつも重量約1.3kg。折り畳み可能でコンパクト。バッテリーはワンタッチで取り付け可能、送信機はカラーモニター付き、夜間飛行対応だから捜査や警備などスピード感の求められる現場に最適と言えます。

操縦士はもういらない!?オペレーションも自動化する「Skydio Dock」

「継続的な検査とマッピング」をコンセプトに掲げる「Skydio Dock」。これを設置すれば、定期的かつ自動的にドローンが離陸し飛行、データを取得して帰還します。現場に操縦士がいなくともドローンの運用が可能になる革命的なこのアイデアは、定期的な撮影が必要な建設などの現場や警備の分野での活躍が期待される「Drone in a Box」のひとつとして注目されています。

Skdyioの自律型ドローンと組み合わせることで、より軽量化つコンパクトで高い機動力を実現します。

日本での販売・取り扱い状況

出典:pixabay

Skydioの日本国内パートナー企業(代理店・販売店)

Skydioは2020年の日本オフィス開設の際に、ドローンサービスプロバイダーの株式会社FLIGHTS、NTT西日本グループ子会社である株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク株式会社NTTドコモの3社をパートナーにサービス提供を始めることを発表しました。

現時点での取り扱い機種や取り扱い状況は、各社ホームページなどをご確認ください。

Skydio製品の実証実験プロジェクト

株式会社FLIGHTSではSkydio Japanとのパートナーシップにより、日本国内での様々な産業用途におけるSkydio2をはじめとしたSkydio製品の実証実験を開始してます。

参加企業は実機で性能や動作を確認できるほか、各産業での導入イメージをシュミレーションし、有用性が認められた場合は本導入へ向けたプロジェクトを株式会社FLIGHTSと共に進めていくことが可能となります。

詳細の確認やご応募はこちらのページよりご確認ください。

まとめ

「ぶつからない」として話題になった米国製ドローン「Skydio」。自律型ドローンは昨今、さまざまなメーカーからリリースされていますが、すでに米軍や米国の警察署などでも活用されているSkydioはその先駆け的存在。機能性と信頼性はすでに米国の行政機関のお墨付きと言えるでしょう。

今後の新製品・新機能のリリースにも、ぜひご注目ください。

参考(外部リンク)